< ろうそくについて >
Q. 灯明の意味は?
A. 仏教において灯明は、仏さまの知恵の象徴であるとして用いられています。また、灯明の火は、人々の心を鎮め、反省と修養のひとときを与えてくれる不思議な力を持っています。
お灯明は煩悩の闇を消し、仏さまや霊を喜ばせる大切な供養のひとつです。闇を照らし人々を救うたいへん慈悲深いものでもあり、さらに、真暗闇の冥界に光を与え、死者の進むべき道を照らすものだともいわれています。
神や仏をお祀りするものは左右一対というのが基本ですから、お灯明も必ずふたつあげるようにします。また、自分自身を灯とし、さらに法を灯として進みなさいというお釈迦さまの教えから、お灯明は「自灯」と「法灯」のふたつあげるものともいわれています。葬式や死者の枕元にあげるときは「一つ火」といって、一本だけにします。
Q. ろうそくの種類は?
A. ろうそくは、仏教の伝来とともにインドや中国を経て日本にもたらされ、脂肪やロウ類を塗った樹皮、木炭を束ねた「松明」や「脂燭」から発達したものと思われます。
ろうそくには「和ろうそく」と「洋ろうそく」があります。また「絵ろうそく」といって、白いろうそくの表面に竜や牡丹、山水、花鳥などの模様を描いて朱や緑、黄などの彩色を施した、手のこんだ美しいものもあります。いずれにしても大きさや長さによって、燃焼時間も数分のものから23時間のものなどさまざまです。
最近では、ろうそくではなく、電気の入ったろうそく型のもので代用することが多くなっているようです。もちろん大切なのは光ですし、火災予防や便利さの点では画期的です。ですから電気を使ってはいけないというようなことはありませんが、やはりろうそくの灯の方が、情緒的な面からいえば勝っているといえそうです。
中原三法堂では、お仏壇の線香・ろうそくの灯に合わせて設計された「仏壇用火災センサー」を扱っていますので、ぜひお問い合わせください。
Q. ろうそくの消し方は?
A. お灯明を消すとき、息を吹きかけて消してはいけません。人の息は、魚や肉を食べて生臭くなっていて、不浄なものといわれていることがその理由です。仏扇やろうそく消しを使うか、香箸で芯をはさんで消すようにしましょう。
Q. ろうそくの注意点は?
A. ろうそくが燃えつきた後、すぐに次のろうそくを立てると、ろうそく立てが熱くなっているので、溶けて曲がってしまったり倒れたりすることがあるので気をつけましょう。
また、ろうが流れて固まり、ろうそくが立てにくくなっていることもあります。その場合は、熱湯につけると容易に取りのぞくことができます。
< お線香について >
Q. お線香の意味は?
A. けがれを払い、心身を清浄にするために、昔から仏事のときには香がたかれました。仏さまをお迎えする場所を清め、喜ばせるためでもあります。
香は、火を点じると燃え続け、芳香を放し続けるところから、仏道修行も命あるかぎりつくしていくという六波羅密(迷いを転じて証の世界にいたるべき菩薩の行)の精進行を表しているといわれています。そして、その香りは供える人の心も清浄にし、すみずみにまで行きわたるところから、同様に一切の人々に差別なく行きわたる仏さまの慈悲を称えるものともいわれています。
Q. お線香の由来は?
A. 泉州堺港を中心として沈香や香木の伽羅を含む薬種貿易がさかんに行われていた大阪の堺で、1530年ごろから香が広まっていったようです。葬儀などのお焼香には灰火に香をのせる五種香を用いますが、普段の供養の場合は長時間もつというところから、お線香が広く用いられるようになっています。焼香の回数や、お線香を立てる本数は、各宗派によって異なります。
Q. お線香の種類は?
A. お線香は、葬儀などで用いられる抹香を松脂や糊などで練り合わせて線状にしたものです。抹香は樹皮や葉、根を粉末にしたもので、灰火の上にのせて焼香します。また、お通夜でお線香を絶やさないようにするときは、長時間もつ渦巻状のお線香が用いられます。
原料の香木は白檀や沈香、丁子など多種類ですが、最近ではラベンダー油、ローズ油などの天然香料のほか、合成香料も使われるようになりましたが、最高のものはやはり天然香料によるものです。
Q. お線香の香りの種類は?
A. 香りには五つの味があり、香の種類は、伽羅-からい 羅国-あまい 真南蛮-すっぱい 真那賀-無味 佐曽羅-しおからい 寸門多羅-にがい 新伽羅-にがい 以上の六国七種五味に分けられます。